子育てと手段の目的化

子育てで起こる「手段の目的化」とはどのようなものでしょうか。
子どもは「手段を目的化」する天才です。

近頃ビジネスシーンで良く耳にする言葉に「手段の目的化」があります。

「手段の目的化」とは、目的を達成するための方法であるはずの手段それ自体について、
いかに上手にできたか、いかにインパクトがあるかと評価し、
その達成が本来の目的とすり替わってしまうことを言います。

では子育てで起こる「手段の目的化」とはどのようなものでしょうか。

子どもは「手段を目的化」する天才です。

夕方の小学生組・保育園組がそろった忙しい時に
一番下の子が「ぎゅうにゅうちょうだい」というので、
手の空いている姉たちに頼もうとすると
「ママに」と言います。

夕食の支度や小学生の宿題のフォローなどをしつつ、
隙を見て一番下の子に牛乳を注ぎます。
三男はにっこりとしています。

そうするとだいたい四番目次女が私もと言います。
手に握りしめられたコップについでに注ぎます。

牛乳がコップに注がれるという目的を達せられた彼女は、
自分が入れたかった~と怒ります。

そしてやっと夕飯が出来上がり机を見ると、
2つのコップとも牛乳が残ったまま。

こんなシーンは子育て中のみなさんなら
週に2・3度は経験されるのではないでしょうか。

どうしても手が離せない時は、
ママじゃなくてねえねえ達にお願いすれば
ずっと待たなくてもすぐ飲めるんだよと
料理の手を止めずに説得を続けることがあります。

そうすると本当にのどが渇いている時などは、
案外サッサと「ねえねえに」と言ったりします。

「手段が目的化」が起こる背景にあるのは、
目的が不明確だったり、本当は別のことだったり、
容易に達成することが難しかったりすることで
手段が思い通りに行っているかどうかという
より些末な達成で満足しようとする心理ではないでしょうか。

「手段が目的化」しないためには
あなたのしたいことは何だっけ?と横で問いかける、
そんな存在が必要なのかもしれません。

そしてそれは子どもにとってだけでなく、
大人にとってこそ必要なのかもしれません。

子育てとITイノベーション

この働き方としてのUber Eatsと、注文方法としてのUber Eats、両方とも時間的・空間的制約が多い子育て中ママたちの新しい選択肢の登場であると感銘を受けました。

先日現役大学生インターンにUber Eats(ウーバーイーツ)についてレクチャーを受けました。アプリをダウンロードし、アカウント登録をすると、普段配達をしていない地元のレストランやマクドナルドなどのチェーン店のメニューを注文できるそうです。大学生達は注文というより、配達員としてUber Eatsと関わっている人も多いとか。

このUber Eatsの配達員は「配達パートナー」というそうで、事前に登録しておけば、好きな時に稼働でき、週単位で収入を得ることが可能だそうです。

そんな折、ワークショップでお会いした素敵なママたちも、Uber Eats愛用者が多いということがわかりました。ママたちは、出先から家で待つ子供たちのために配達を依頼したり、子連れで気軽に食べに行けない時などに利用しているそうです。

この働き方としてのUber Eatsと、注文方法としてのUber Eats、両方とも時間的・空間的制約が多い子育て中ママたちの、新しい選択肢の登場であると感じました。

空き時間に働けるということは、子供たちの病気や行事に暗い気持ちで職場に連絡をする必要がないということ。働いているから、働いていないから、というどちらの強迫観念にも襲われないということ。

食べたいものが自宅で食べられるということは、並んでいる途中にトイレと言われて列を離れる必要がないということ。他の人たちのように列に並ぶことができないから、あきらめなくていいということ。

ITによるイノベーションは、時として脅威として語られることが多いと感じます。
でもイノベーションは不自由な状況にある人にとっては、制約を取り払ってくれる光。

未来はますます自由になるんですね。

子育てとPDCA

今の世の中は、データドリブン全盛ですね。
仮説を立て、実行し、検証し、改善するというPDCAサイクルを高速に回し、無駄な工程を排除し、必要なものだけを残し最適化を図っていく。
業務を効率化することは、長時間労働の防止にもなりますし、効率化によってもたらされる利益については、誰も否定できないのではないでしょうか。

しかし一方で、PDCAサイクルの適用は、要不要の判断がつく場合、つまり同じことを何度もできる場合、スタートとゴールは決まっていて、その工程について検討する場合に有効な手法であり、誰もしたことのない未知を探求する場合には、必ずしも効果的ではないということを理解されていない場合があるように感じます。

その最たるものは、子育てではないでしょうか。

子どもにとって何が無駄で、何が無駄でないかは、誰にも判断できません。全く無駄に終わったと思う経験が、思いもよらず花開くこともあります。

我が家の子どもたちの例をあげるとすれば、子どもに出す食事です。

16年の間1年も空くことなく同じ保育園に通っているせいか、「後藤家の子供たちは乳児期は食が細いが、幼児期になるとモリモリ食べるようになる」という申し送りが、保育園の看護師さんの間でなされているそうです。長男から始まり、次男はそこそこ食べられましたが、長女、次女も0-2歳クラスではよく食事を残していたそうです。そして2歳になったばかりの三男も、ムラ食い全盛期で好きなものしか食べません。

この好きなものしか食べない時期は朝パンを出しても、ご飯を出しても残すことが多く、毎日残すのであれば出さなくてもいいんじゃないか?という、経済人的な思いに駆られます。

でも食べても食べなくても毎日出し続けていると、あれ?今日は一口食べたな、今日は半分は食べたな、という日が何日か続き、気づくと毎日完食できるようになり、もっとちょうだいという日も出てきたりします。

子どもの成長は一定ではなく、突然大きく動くことがあります。今まで自分が無駄なんじゃないかと思いながらしてきたことが、彼らの体の中でようやく溜まって、噴出してきたときはじめて、親はその効果を実感します。それまで溜まっていく過程は、残念ながら外からは確認することができません。

自分の頭で考えたくましく生きていく人間を世に送り出すという、ミッションを一番大事にしながら、日々忙しくても短期的な無駄や失敗を恐れず、子どもとの時間をチャレンジングに過ごしていきたいと思います。

5人子どもがいるとよく聞かれること

子どもが5人いるというと、まず聞かれるのが「えー!大変じゃないですか?」ということです。

私はこの質問に対する答えに、いつも迷ってしまいます。

「大変です」と言うとつまらないし、「大変じゃないです」というと完全にウソになる。私の「大変じゃないです」を信じて、子どもを5人生んでしまったらと思うと、ものすごい罪悪感にかられてしまう。

子どもが5人いる(しかも高校生から乳幼児まで)生活は、朝から高校生が朝練に間に合う時間に容量1000mLのお弁当を埋めることと、ヤクルトの空容器が部屋中にそっと置いてあることと、咀嚼しきれなかったウィンナーが吐き出されているイスに着替えたばかりのズボンで座ることが同時に起きたりする。

それをひと言で表現すると、やっぱり「大変です」になってしまう。

でも私はこの子育て=大変という考えを、4人目から捨てました。

子育て=大変は、夏=暑いとか、冬=寒いと似ていると思います。それは紛れもない事実で、そういわれると誰も否定できない。

でも暑い暑い、寒い寒いと言って、その時期を終えてしまうのは、あまりにももったいないと思うようになったのです。

たぶん私に子育ては大変か聞きく人が知りたいことも、私が子育てについて伝えたいことも、「大変さの先にある何か」であると思うのです。

そしてそれはきっと、ひとりひとり違うものである気がします。

子育て×マーケティング発想で、早くそれをわかりやすく伝えていきたいと思っています。

子育てママの働き方改革~なぜフリーランスになったか~

はじめまして。フリーランスマーケターの後藤潤子です。

なぜ私が22年間のサラリーマン人生に幕を閉じ、フリーランスになったかを綴っていきたいと思います。

以前から個人起業に興味はあったものの、その一歩が踏み出せずにいました。

また事業を始めるには、物事に対する強いこだわりや、抜きに出た才能がないと難しいとも思っていました。

ではそんな私がなぜフリーランスとして、個人起業することになったか。

それは自分の限界を悟り、そこから新たな可能性を見出したからです。

プロフィールにも書かせていただいている通り、私は新卒で化粧品関係の商社に入社し、19年間化粧品・装粧品ブランドの販促やマーケティング業務を担当しました。1人で担当するブランドも、数十人で担当するブランドも関わることができ、日々「ものづくり」の繊細さと綿密さを学びました。

そしてその間4度の産育休を取得、4度の職場復帰を果たす間に、企業において産休取得までの道のりの何が大変で、休んでいる間の何に不安を感じ、復帰後の何がストレスなのか。語りつくせぬほどの多くの体験をすることに。

子育てをしていく中で、それまで以上に消費者として多くの消費体験や購買行動を経験し、真の消費者目線を身に着けたにも関わらず、業務においてそれらの知見が全くいかせないことに、とても違和感を覚え始めました。

そこで4番目の育休復帰後半年で、子育てとマーケティング、両方の経験がいかせる子育て情報系ITベンチャー企業へ転職。

その後第5子を授かり、出産。

産後4ヶ月で復職、乳飲み子を抱えながら高校に進学した長男の朝練時間の出発に合わせたお弁当作りというの新しいタスクも重なり、復帰の半年後には、鬱になるんじゃないかというところまで追い込まれました。

やはり5人も子供がいる女性が働くのは無理なんだ…あきらめるしかない…そう思ったとき、思いがけず職場の同僚や家族から「今までの経験がきっと何かにいかせる。必要としてくれる人はどこかに必ずいる。」という言葉をもらうことができました。

その言葉を信じ、今の自分のスキル・家族のライフステージ・将来かなえたい夢をもう一度客観的に整理し、未来予想図を描いたところ、思いがけず現れたのが「フリーランス」という選択肢です。

今までの分断されたキャリアは複合力という武器になり、複業という道でいかされる。
子育てに追われる限られた時間の中で、スローダウンしながらスキルアップする。
雇用関係ではなく、パートナーを探す。

人生100年時代に向けた細くて長い挑戦を開始しました。